地域仕事づくりコーディネーターサミット2013

入選プロジェクト

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関西ブロック代表

革新を続ける老舗米屋での挑戦

挑戦者から挑戦者が生まれる

歴史と伝統が存在する古都京都。「お米の価値観を変える」ためにインターネット事業やアンテナショップ等の挑戦を仕掛け、急成長している老舗米屋では、世界を見据え、会社全体が日々奮闘。意欲溢れる若者が、新たな事業展開を担うために必要だったのは「仕事」の基本だった。挑戦者が生まれ続ける米屋の物語。

プロジェクト実施の背景(問題意識・課題など)

八代目儀兵衛は、創業以来「お米の価値観を変える」ことをテーマにお米ギフト商品のインターネット販売でブレイク。その後、米料亭の出店、農業分野で行政との共同事業を行うなど、生産から販売までお米を取り巻く川上から川下までの事業を一気通貫での展開を始めていた。会社の業績も右肩上がりであり、更に東京への進出も検討中であった。そのような状況下で、メディアに取り上げるための新たなブランディングをインターン生に託そうとしていた。ただ、以前からインターンシップの受け入れを行っていた同社だが、急激な成長の中、インターン生の必要性や可能性について再考するフェーズかもしれないと考えていた。

若者が担当した仕事内容・関わり方

最初に任された仕事は社員へのインタビューだったが、評価は最悪。そこで社長から命じられたのは、米料亭での皿洗い業務だった。本来担うはずの仕事とはまったく違う地味な仕事だったが、そこから一念発起。「自分ができることやる」ことを意識し、皿洗いの視点から、料理内容やオペレーションの改善提案を行い、徐々に社内の信頼を取り戻していく。すると、社員行事である伊勢神宮参拝の準備を任されることに。皿洗いで培った自主性をもって仕事に取り組んだ。結果として、社員からは大いに好評を得る。そして東京進出プロジェクトを任せられる。会社の顔として表舞台に立つチャンスを得ることができた。

事業成果

"東京での展示会企画は、社員と二人三脚でゼロから携わり、会場での試食の提案などを行った。試食の演出にもこだわり、結果として展示会は会場内1,2を争う人気を得、成功を収める。「東京に出店したら必ず行きます!」と東京にも多くのファンをつくることができた。そして展示会での売上・お客さんの感想を分析し、ギフト新商品の商品内容変更を提言し、実際に変更された。
インターン期間を通して、担ったのはほとんど地味な仕事だった。しかし、その中でも主体的に全力を尽くすことによって、結果として会社にとって重要な役割を担うことができることに気づいたのである。"

関わった若者

京都大学/高橋 佑吉(たかはし ゆうきち)

活動先

株式会社八代目儀兵衛/橋本隆志
「お米の価値観を変える」をキーワードに、これまでにないお米のサービスを提供。どこよりもいち早くネット通販事業を展開、米料亭事業、さらに、おいしい安心・安全なお米づくり行う農業事業にも取り組んでいる。

若者の活動によってもたらされた変化や気づき

インターンを終え、高橋くんは、以前にはまったく考えていなかった将来家業を継ぎ、会社を大きくしたいという気持ちが生まれている。八代目儀兵衛の橋本社長が、もとのお米屋さんから、この会社を創ってきたチャレンジを、自分もやってみたい、と志を抱くようになった。また、彼のチャレンジにより、会社では、継続的にインターン生を受け入れる方針が決まり、現在も1名が農業プロジェクトに携わっている。インターン生は、勝手に戦力になってくれるわけではない。意欲ある彼らが成長し活躍する環境をつくってこそ、会社にもさらなる成長が生まれるのだ。同社は、そんな会社を目指すチャレンジを続けている。

スタッフ/インターンのメッセージ

コーディネーター 寺谷卓也